物流お役立ちコラム
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『物流現場が変わる! マテハン機器導入・活用ガイド【入門編】』
第8回「トラックへの積み降ろしも今や自動化が必須」
これまで物流センター内で使用されるマテハン機器を中心にご紹介してきました。今回は、物流センターへの物品の入庫・出庫に欠かせないトラックに関わる機器についてご紹介いたします。
物流センターへトラックが到着し、荷物を下ろす。逆にトラックへ荷物を積み込んでトラックが発車するーー。今は、このトラックの物流センターでの待機時間にスポットが当たっていますが、実際一番大変なのは、トラックからの荷降ろしやトラックへの積み込みなのです。今まで自動化しにくい分野でしたが、今は状況が変化し、様々な機器や装置が登場しています。
1.積み込み・荷降ろしの方法
トラックの荷台に載せる代表的な方法です。荷物の形や量に合わせて、いろいろな方法が使い分けられています。
パレット活用
パレット(樹脂や木製)の上に荷物を載せ、フォークリフトなどで運びます。
手作業が少なく、比較的速く作業が終わります。パレットの活用は輸送効率を高めるためにも推奨されています。
カゴ台車活用
車輪がついた大きなカゴに荷物を入れ、トラックの後ろにある昇降機(パワーゲート)を使って出し入れします。
宅配便などで見かけるイメージです。パレット同様、輸送効率を高める方法です。
バラ積み・手降ろし
段ボールなどを1箱ずつ、人の手で積み降ろしする方法です。
荷物を隙間なくたくさん積めますが、時間がかかり体力も必要な重労働です。
少し横道に反れますが、バンニング、デバンニングという言葉をご存じですか。
これは本来、輸出入の物流の現場で使われる用語です。トレーラに連結されるコンテナにバラ荷物を積み込むのがバンニング(Vanning)。コンテナから荷物を「降ろす」のがデバンニング(Devanning)です。
現在では積み込みや荷降ろしを示す用語として広く使われることがありますので覚えておいてください。

2. 「待機時間」の問題
待機時間の問題は避けて通れないので、ここで簡単にまとめます。
今、物流業界では「トラックバース(トラックを止める専用の場所)」での混雑が大きな社会問題になっています。たくさんのトラックが一気に物流センターに集まると、荷降ろしや積み込みの順番待ちが発生してしまいます。ドライバーが何時間も待たされる原因になっており、これをなくすために対策が進められています。
- スマホやネットでの予約システム
- 時間をあらかじめ予約して、待ち時間を減らすシステムです。
- 荷降ろしや積み込みの自動化
- パレットでの荷降ろしや積み込みを自動でやってくれるフォークリフトや自動積み込み装置なども注目を浴びています。
以下、「荷降ろしや積み込みの自動化」にスポットを当ててご紹介します。

3.積み降ろしの自動化
人手不足の解消や作業時間の短縮(物流の2024年問題への対応)に向けて、今最も注目されている技術です。
実用化されている主な自動化システムをピックアップします。
自動フォークリフト(AGF)/パレット対応
人間が乗車せずに自動走行や荷役(パレットの持ち上げや移動)ができる無人搬送フォークリフトです。
AIやレーザセンサを使って、トラックの荷台の位置や高さを正確に読み取ります。
AGVと連携し、パレットに載せた重い荷物を無人のフォークリフトで自動で積み込みや荷降ろしを行います。
トラックローダ/パレット対応
トラックの荷台と物流センターのトラック用のドック口を直結し、大量のパレットを一括でスライドさせて移動させる大型装置になります。トラック1車分のパレットを、わずかな時間で一気に積み降ろしできます。
荷降ろしロボット/バラ荷物対応
パレットに載っていない段ボールのバラ積みなどに対応するロボットになります。
伸縮するアームがトラックの荷台の奥まで入り、3Dカメラで荷物を認識してコンベヤに自動で載せてトラック外に搬送します。
伸縮コンベヤ/バラ荷物対応
フレームや搬送部がスライドやジャバラ状に伸縮する搬送用コンベヤです。
使用時には引き伸ばして長くし、未使用時には縮められるので省スペースで収納できます。トラックへの荷物の積み降ろしや、一時的な作業ラインの構築に広く利用されています。
上記の中から、自動フォークリフト、トラックローダ、伸縮コンベヤについてもう少し掘り下げてご紹介しましょう。

4.自動フォークリフト(AGF)
自動フォークリフト(AGF:Automated Guided Forklift)は近年注目を浴びているフォークリフトになります。
どのように自動で積み込み・荷降ろしをするのか?
AGFは、あらかじめ決められたルートを走るだけでなく、カメラや3Dセンサを使って周りを判断しながら移動します。
- パレットの位置を自分で見つける
- トラックの荷台にあるパレットや、床に置いてあるパレットの向きが少しズレていても、AGFのカメラが自動で位置を修正して正しく爪を差し込みます。ストレッチフィルムがパレット横の穴(フォークリフトの爪を入れるところ)に多少かぶさっていても対応できる機種もあります。
- トラックの荷台の奥まで運ぶ
- トラックの奥から順番にパレットを詰めて並べたり、逆に奥にあるパレットを手前に引き出したりする作業を正確に行います。
- 2段に重ねる(段積み)
- トラックの荷台の中でパレットを2段に積み重ねたり、重なっているパレットを1つずつ降ろしたりすることも可能です。
AGFを使うメリット
- ドライバーや作業員の負担が減る
- フォークリフトの運転をAGFが代わりにやってくれますので省人化につながります。
- トラックの待ち時間が短くなる
- 無駄のない動きでテキパキと荷物を積み降ろしをするため、トラックが発車するまでの時間を大幅に短くできます。
- 夜間でも無人で作業ができる
- 24時間いつでも動かせるので、夜の間にトラックへの積み込み準備を終わらせておくといった使い方ができます。
導入時の注意点
- トラックが止まる位置を合わせる必要がある
- AGFがスムーズに荷台に入るために、トラックを指定の場所にまっすぐバックして止めてもらうなどの一定のルール作りが必要です。
- いろいろな形のトラックへの対応
- トラックの種類(後ろが開くタイプや、横が開くウイング車など)によって、AGFがうまく動けるようにシステムを調整する必要があります。

5.トラックローダ
トラックやトレーラに連結されるコンテナへの荷物を積み込み・荷降ろしを自動で行う装置です。
使用メリット
- 待ち時間が減る
- フォークリフトを使って積むより圧倒的に早いため、ドライバーの待ち時間が短くなります。
- 誰でも操作できる
- ドライバーがタッチパネルをピッとするだけで自動で動くため、慣れたフォークリフトを運転する人がいなくても作業できます。
- 安全性が上がる
- 出荷場でフォークリフトが走り回らなくなるため、ぶつかる事故が減り安全な環境になります。
導入時の注意点
「対応するトラックの条件」「荷物の形や重さ」「床の工事とスペース」を事前にしっかりと確認します。
具体的な注意点をまとめました。
トラックや車両の条件を確認する
- トラックの種類
- ウイングトラック(横が開くタイプ)や、荷台に専用のローラがついているトレーラなど、機種によって対応する車が決まっています。
- 荷台の高さとズレ
- 荷物を載せると重みでトラックが沈みます。沈んだ時、自動で高さを合わせてくれる機能(沈まないように支える装置など)が働くか、自社の車両で確認が必要です。
- 止まる位置の決まり
- 機械が自動で荷物を入れるため、トラックをいつも同じ正しい位置にぴったり止める必用があります(停止位置の精度)。
運ぶ「荷物」の形や重さを確認する
- パレットのサイズ
- 一般的な11型パレット(1100mm×1100mm)に対応していることが多いですが、木製か樹脂製かで機械の動きが変わることがあります。
- 重さの限界
- 1回で16パレット同時に持ち上げる機種などがあります。
荷物が重すぎると運べないため、最大重量(例:1パレットあたり何キロまでか)の確認が必要です。 - 荷崩れの対策
- 機械が動くときに荷物が崩れないよう、ストレッチフィルムできちんと巻いて安定させておく必要があります。
設置する場所(床とスペース)を確認する
- レールを敷く床の強さ
- トラックローダは床にレールを敷いて、その上を重い機械が動くタイプが一般的です。
床が重さに耐えられるか、平らであるかどうかの工事確認が必要です。 - 安全のためのスペース
- いくらコンパクトな機種であっても、まわりに人が入れないようにする安全柵」立てるスペースが必要になります。
トラブルが起きた時のルールを決めておく
- 機械が止まった時の動き
- 万が一、出荷作業の途中で機械が止まった場合、すぐに手動に切り替えてフォークリフトで荷積みができるような通り道を確保しておくと安心です。
- メンテナンス
- 定期的な点検や部品交換について、サポート体制を事前にメーカーに相談する。

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6.伸縮コンベヤ
バラ積み荷物の積み降ろしで便利なのが、伸縮コンベヤです。荷物をコンベヤに載せたり、降ろす作業は人が行いますが、途中の搬送が自動化されますので、横持ち作業がなくなります。ベルトタイプやローラタイプなどがあります。
主な特徴とメリット
- 省スペース化
- 使わないときはコンパクトに縮めて保管できるため、人の通路や作業スペースを必要に応じて確保できます。
- 作業効率の向上
- トラックやコンテナの奥深くまでコンベヤを伸ばせるため、手作業での荷物の運搬距離が減り、作業時間を短縮できます。
- 負担の軽減
- 重い荷物を何度も運ぶ必要がなくなり、作業者の身体的負担や腰痛を軽減します。
主な用途
- コンテナへの積み降ろし
- コンテナ内部までコンベヤを伸ばし、奥の荷物をスムーズに運び出します。
- トラック荷台への積み込み
- コンベヤの駆動を逆回転させることで、トラックへの荷積みにも活用できます。
- 一時的なライン
- 繁忙期など、必要なときだけ引き出して臨時の搬送ラインとして活用できます。
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いかがだったでしょうか。
トラック関連については、ドライバー不足のニュースは見聞きするけど、それ以外のことは、よく知らないのが現状だったと思います。荷役の一つである積み降ろしは人手でやると大変な重労働になりますので、今回ご紹介した自動化を参考にしてください。
次回は、マテハン機器を導入した場合の必須要素についてご紹介いたします。