新着情報News

2020/02/18

お知らせ

物流倉庫における防火シャッター降下部のコンベヤについて

大規模物流倉庫の防火対策が強化されています。
防火設備の基準の改正や、マテハン関連では、防火シャッター降下部のコンベヤに対して、新たなガイドラインが設けられました。
オークラ輸送機は現在、このガイドラインに沿ったコンベヤ設備を納入し、防火対策を確実なものにしています。
そこで、防火設備に対する改正基準やガイドラインなど、最近の動向をお知らせします。

非常時には防火シャッターで確実に閉鎖

物流倉庫内の区画ごとに設置されている防火シャッターは、火事が発生した際、炎を閉じ込め、他の区画への延焼を防止するものです。多くの物流倉庫が導入している自動式の防火シャッターには煙(熱)探知機と連動し、煙(熱)を探知するとシャッターが自動的に下りる仕組みになっています。

このため、防火シャッターの下に荷物や台車など障害物を放置することは厳禁です。また、防火シャッターをまたいで設置されたコンベヤは、シャッター降下時に防火シャッター本体や座板と干渉しない機構を備えていなければなりません。

2017年2月に発生した物流倉庫(埼玉県)の大規模火災では、いくつかの要因が重なり多くの防火シャッターが作動しなかったり、コンベヤに干渉したりしたことで被害を甚大なものにしました。

news20200214_01.jpg

防火設備の基準改正や新たなガイドラインが

この大規模火災を受け、国土交通省では防火設備の基準を一部改正し、昨年4月から新基準が施行されました。床面積50,000㎡以上の大規模倉庫に対し、感知器にかかわる電気配線の短絡防止措置を講ずることなどが新たに盛り込まれています。
万一、電気配線の短絡が発生した場合でも、その影響が床面積3,000㎡以内の防火区画された以外のエリアに及ばないように断路器などの設置を求めています。
https://www.mlit.go.jp/report /press/house05_hh_000716.html (国土交通省HP)

また、一般社団法人日本産業機械工業会は、事業主がコンベヤを適切に維持管理するための指針として、防火シャッター降下部に設置されたコンベヤの機能と退避動作を明確にした「大規模倉庫における防火シャッター降下部のコンベヤに関するガイドライン」をまとめました。

オークラ輸送機は、これまでも防火シャッターの下に設置されるコンベヤラインを数多く納入してきましたが、防火シャッター降下部のコンベヤに関しては改めてこのガイドラインに沿ったものを設置し、物流倉庫の防火対策を確実なものにしてまいります。

「大規模倉庫における防火シャッター降下部のコンベヤに関するガイドライン」の概要

  • 対象とする物流倉庫

    床面積合計が3,000㎡を超える物流倉庫

  • 対象とするコンベヤ

    防火シャッターによる区画との交差部に新たに設置または改修される可動装置※のついたコンベヤ。
    ※コンベヤの一部で、防火シャッターの降下部と干渉する部分に設けられ、火災発生時に作動し、防火シャッターとコンベヤの衝突を回避する装置。

    news20200214_02.jpg
  • 防火シャッター降下部のコンベヤが有すべき機構

    1)設置位置
    防火シャッター降下時に、防火シャッター本体や座板の干渉しない位置に設置すること。

    2)防火シャッター下の搬送物退避
    起動信号受信時、防火シャッターの直下に搬送物がある場合、その搬送物を常用電源によるコンベヤ駆動で退避させ、その後直ちに停止できるものであること。

    3)可動装置の退避動作
    可動装置は、上記2)による搬送物退避後に動作するものであり、常用電源やエアーが失われた場合でも、防火シャッターの降下を妨げないフェイルセーフ機構※を有するものであること。
    ※万一、故障や不具合が発生しても、自動的に安全な状態になる設計

    一般的にはA、B 2通りの機構方式がある。
    A:起動信号による可動装置の退避機構
      電動もしくはエアーシリンダと電磁弁で動作。常用電源やエアーが喪失した場合でも退避可能(重力もしくはスプリング等)
    B:防火シャッターとの物理的な動作による可動装置の退避機構(危害防止装置のないシャッター)


    news20200214_03.gif
    (クリックで画像拡大)

    4)その他の留意事項
    それぞれの現場において、起動信号の接続する場所・信号の種類などを明確に定めるとともに、それに基づき信号を受ける端子及び回路をコンベヤ製造業者は用意すること。 また、防火シャッター下の搬送物退避時間、可動装置の作動に要する時間などを考慮し、防火シャッターが確実に閉鎖できるタイミングで起動信号が発せられるタイマー等の機能をもたせること。事業主は、タイマー設置工事者を明確に定めること。

  • コンベヤ設置検査や定期点検など

    事業主は、設置されたコンベヤの維持管理を適切に行っていくこと。
    ・防火シャッター降下部のコンベヤの点検責任者の選任と報告体制を整備すること
    ・コンベヤ設置時の検査及び設置後の定期点検を実施し、その検査記録や点検記録を保管すること
    ・必要に応じて、修理・調整などを実施すること、など

    設置されたコンベヤの維持管理に関する国土交通省告示第199号「建築物の維持保全に関する準則または計画の作成に関し必要な指針の一部改正」は
    http://www.mlit.go.jp/common/001292526.pdf

    日本産業機械工業会の「大規模倉庫における防火シャッター降下部のコンベヤに関する ガイドライン」の詳細は
    https://www.jsim.or.jp/business/safety/

お問い合わせについて

点検・メンテナンスのお問い合わせやご相談がございましたら、 コチラ のフォームよりお問合せください。